沖縄染織研究会

沖縄の染織工芸を中心に協同研究を行っています

2026年9月18日 染織研究会を開催します。
EC(電気伝導度)を指標とした発酵建て 池原 幹人
ECとは(Electrical Conductivity)、電気伝導度(電気伝送率・導電率)のことで、物質の「電気の通りやすさ」を表す数値であり、水や土壌の中に溶け込んでいるイオン(塩分や肥料成分など)の総量を知るための重要な目安として使われる。通常、天然藍の発酵建てを行う際には、pHと温度を指標に藍建てを行うのが一般的であるが、新たにEC(電気伝導度)を指標に加える事で、より効果的に発酵建てを行う事ができるのではないかと検討した。

2009年 - 2011年 やまあい工房にて琉球藍を学ぶ
2012年      沖縄県立北部農林高校(夜間部)聴講生 琉球藍の調査・研究を行う
2012年〜現在   藍ぬ場ぁ農場 立ち上げ
2012年      沖縄県立芸術大学にて聴講生 染色化学などを学ぶ
2018年      藍壺復元
2019年〜現在   沖縄県立芸術大学 非常勤講師(琉球藍研究)
2019年〜2021年 沖縄県工芸振興センターにて高度工芸技術 特別研修 修業(織)
2021年〜現在   琉球藍製造技術保存会 事務局
2022年〜現在   玉藍工房 共同立ち上げ
2024・2026年   京都芸術大学 講師(藍の學校)

2026年7月17日 染織研究会を開催しました。
苧麻・芭蕉糸の繊維方向と整経方法」 柳 悦州・山田 葉子
沖縄では、織素材である苧麻や芭蕉糸は、績み作業によって作られている。これらの素材は、現代でも素材の根本から先端へと繊維の方向がきわめて重要視される。この方向を常に守り、糸は績み作業されていく。しかし製織時には考慮されていない。製織時の経糸繊維の向きは整経方法によって決まる。現在の沖縄では、一般的に回転式整経台が使われるが、それ以前はどうであったろうか。経糸の繊維の方向は考えられていたのだろうか、話題提供したい。

柳:沖縄染織研究会長。山田:沖縄染織研究会役員

2026年5月15日 染織研究会を開催しました。
沖縄における天秤腰機の現状に関する研究」 黄金 蒼生
琉球国は、風土と交易の影響を大きく受けながら、独自の染織文化を多く生み出してきた。当時の製織では、「天秤腰機(地機)」という織機が用いられ、王族から庶民に至るまで、当時の人々の製織を支えていた。しかし、近代化や戦争を大きな要因とし天秤腰機の使用は減少していく。現在の伝統的染織品のほとんどは、「高機」という織機が製織に用いられている。
今回は、2025年に実施した沖縄県内における「天秤腰機」の現存数及び所蔵場所に関する体系的な調査とその記録について報告する。

沖縄染織研究会会員。沖縄県那覇市出身。首里高等学校染織デザイン科卒業後、山形県にある東北芸術工科大学の文化財保存修復学科に進学。卒業研究では「沖縄県における天秤腰機の現状に関する研究」というテーマにて、天秤腰機の保存状況に対する現状調査を実施した。現在は、同学の研究生として引き続き天秤腰機の現状調査を行っている。

2026年1月16日 染織研究会を開催しました。
「国内外に所蔵されている花倉織資料の分析」 新田 摂子
イギリスのVictoria & Albert MuseumV&A)所蔵の裂帳には、花倉織の裂が1点含まれている。花倉織の着物は、日本民藝館とベルリン国立民族学博物館に所蔵されている事が知られている。一方、花倉織の裂は、ベルリン国立民族学博物館と、サントリー美術館及び個人が所蔵している。報告者のこれまでの沖縄染織品のヨーロッパ調査により、元々1つの着物を解いて、裂にした資料が裁断され、複数の博物館で所蔵されている事が明らかとなっている。本発表では、V&Aが所蔵している花倉織の裂と、国内外に所蔵されている複数の花倉織の裂資料が同一裂なのかどうか明らかにするために、各所に所蔵されている花倉織の資料について分析を行った。

沖縄染織研究会会員

2025年12月12日 染織研究会を開催しました。
「近世琉球の文献にみる神女の衣装について」 久貝 典子
近世琉球の神女の衣裳に関して発表する。琉球の神女は聞得大君を中心に三平等大あむしられ、三十三君などで構成されていた。『鎌倉芳太郎資料集(ノート篇Ⅱ)民俗・宗教』(以下『資料集』と略する)所収の「同治十四年乙亥吉旦 聞得大君御殿並御城御規式之次第」内にみえる「御新下」の記録は、琉球大学所蔵の「伊波普猷文庫」でも確認される。その原文と『資料集』とを読み合わせ、聞得大君の衣裳やその他の神女の衣裳について考察する。

沖縄染織研究会会員

祝嶺恭子先生が講演会に参加されます。
「ヨーロッパに渡った琉球王国の文化遺産」
LinkIconヨーロッパに渡った琉球王国の文化遺産

会員限定公開でYouTube染織研究会チャンネルに、研究会の動画をアップロードしています。

2025年9月19日 染織研究会を開催しました
「古典紅型に複数存在する資料からの考察」 平田 美奈子
 王朝時代における紅型衣装には着用者に制限があった。衣装の注文依頼をうけた紺屋は、納品の際に模様付けに使用した型紙も一緒に収めたとされている。それは「止め柄」を理由におこなっていると考えられていたが、これまでの調査でも同類模様の型紙の存在は把握されており、衣装や裂の形態にも同柄の資料が複数点見つかっている。本報告では、数少ない文献資料だけでは得られない新たな糸口を現存資料に求めて、これまでの紅型調査で確認した資料や情報から類似例の多い「牡丹模様」を資料としまとめ考察したことを報告する。

沖縄染織研究会 副会長

2025年7月18日 染織研究会を開催しました
琉球王府諸士正装における色彩の社会的機能に関する研究
         ―朝衣の現物調査を通じた身分制度の考察―」 中野 夢
琉球における色彩の社会的機能解明には、国内制度および文化的側面と、周辺諸国との歴史的交流における琉球独自の政治的・社会的背景を考察する必要がある。本研究は、琉球王府の身分制度における諸士正装に注目し、色彩変遷とそれが担う社会的機能を明らかにすることを目的とする。本発表では、琉球諸士の正装として沖縄県内外に保存されてきた「朝衣」の現物調査を通じて、琉球における朝衣の色彩が果たしていた身分秩序の維持と表象という機能について考察を行う。現存する朝衣の中でも特に多く残されている「黒朝衣」に焦点を当て、その用途や所有者、資料の形態を分析し、諸士の正装規定における黒朝衣の社会的意義を検討する。これにより、色彩の身分制度における役割と、社会秩序の維持に果たした機能を明らかにすることを試みる。 

2025年5月16日 染織研究会を開催しました
「戌年の御冠船衣裳から ― 若衆衣裳 板締縮緬」 古波蔵ひろみ
 本研究は、1838(道光18)年の尚育王の冊封において、冊封使歓待のために興じられた芸能に関する記録「冠船躍方日記」と同年の冠船芸能を所収した『校註琉球戯曲集』を基本資料とし、これらの中から特に、若衆衣裳として頻回に着装された「板締縮緬」について分析し報告する。
 これまで、県内には現存資料が無く、研究者間でも文字資料に拠る以外になかったが、このほど、吉村晴子氏(たかさき紅の会主宰)のご協力を得て若衆の板締縮緬衣裳の復元を試みた。
 第22回研究公演「大川敵討」(国立劇場おきなわ)では、およそ90年の時を経て、板締縮緬衣裳が冠船芸能の舞台に姿を現すこととなった。

幼少期より、結髪師小波則夫(父)に師事し結髪技法および扮装法を習得。
平成19年の小波則夫の国選定保存技術「沖縄伝統芸能(結髪)」保持者認定に伴い伝承者となる。
沖縄文化会員、沖縄県立芸術大学付属研究所共同研究員、沖縄国際大学南島文化研究所特別研究員

新垣幸子先生(本研究会会員)人間国宝に!

2024年10月9日、新垣幸子先生は「八重山上布」重要無形文化財保持者(人間国宝)として認定されました。

2025年1月24日 染織研究会を開催しました。
西日本の野蚕の歴史と、現在の状況について 久保田 寛子
織の素材には様々な繊維が使われる。中でも目にすることが少ない繊維の一つとして野蚕糸がある。沖縄に着任するまでの数年間、広島の元織物産地において野蚕糸の織物の復興のボランティア活動に参加していた。絶えてしまった産地の織物やその技法を復興する活動で直面した課題や、取材してきた西日本を中心とした他織物産地での現状を踏まえ、私たちが今できること、今後他織物産地でも起こりうる問題について考察する。

沖縄県立芸術大学工芸専攻准教授

2024年11月15日 染織研究会を開催しました。
尚家近代資料「ウマントン小物入れ」の分析と県内に残存する龍文様染織品の分布について 山田葉子

那覇市歴史博物館には2006年に国宝に指定された「琉球国王尚家関係資料」が所蔵されている。ここに後年追加で寄贈された尚家関係資料の中に、近代期に作成されたとみられる「ウマントン小物入れ」と呼ばれる龍文様染織品がある。この資料を、県内に残存する類似の龍文様染織品と比較分析した結果を報告する。また、類似する資料がどのように分付したかについても考察する。

沖縄県立芸術大学美術工芸学部卒業 2012年より那覇市歴史博物館学芸員

2024年9月23日 染織研究会
国際シンポジウム「ヨーロッパに渡った沖縄染織品 -J.Langewisコレクションの調査報告-」


第128回研究会は、2024年9月23日、沖縄県立博物館・美術館 講堂にて開催しました。

2024年7月19日 染織研究会を開催しました。
「中山伝信録の機を考える」 柳 悦州

1721年に刊行された『中山伝信録』には機具の記述と図が所載されている。この織機は、現在知られている沖縄のものとは異なっているように思える。どのような織機であったのだろうか。中山伝信録の記述を読み解き、この織機についての諸説を紹介し、沖縄の織機について考えてみたい。

沖縄県立芸術大学客員教授 沖縄染織研究会会長

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祝嶺恭子先生(本研究会特別顧問・前会長)人間国宝に!

2023年11月29日、祝嶺恭子先生は「首里の織物」重要無形文化財保持者(人間国宝)として認定されました。

2024年5月17日 染織研究会を開催しました。
「琉球列島における芭蕉布文化の起源を探る(Part 2)」 カトリーヌ・ヘンドリックス

 芭蕉布は日本の重要無形文化財に指定されているが、その歴史についてはまだ不明なところが多い。本研究は、琉球・沖縄の人々がいつ、どのようにして芭蕉布を織り始めたのかに焦点を当てている。本発表では、主に拙著『琉球列島における芭蕉布文化の起源を探る』の後半について説明する。

沖縄県立芸術大学芸術文化研究所共同研究員
2001~2006年、琉球大学外国人客員研究員。2006年、PhD in Japanese Studies(ベルギーのKU Leuven, Faculty of Arts, Japanese Studies)。2007年、The Origins of Banana-fibre Cloth in the Ryukyus, Japan出版(Leuven University Press)。

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「在欧沖縄染織品の調査報告」 新田 摂子

沖縄県立芸術大学芸術文化研究所伝統工芸研究室では、2017年よりヨーロッパ各国に所蔵されている沖縄染織品の調査を行っています。本報告では、これまでの調査のまとめとして、在欧沖縄染織品の調査報告を致します。具体的には、どの博物館へ行ったのか、何がどれくらい所蔵されていたのか、誰がいつ蒐集したのか、また、今後の課題について取り上げます。

沖縄県立芸術大学芸術文化研究所准教授

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2023年11月24日 染織研究会を開催しました。YouTube染織研究会チャンネルで会員限定公開中。
「近世琉球社会のなかの染織品—19世紀の贈答布と染め職人を中心に—」 麻生 伸一

近世琉球の諸士(士族)が日常生活において知人や同僚、上役、その他の人々とのあいだで贈答していた物品には、大和や中国の物品や、金銭などさまざまなモノが用いられたが、そのなかに布や布製品も含まれていた。本報告では、『伊江親方日々記』などを素材として、諸士社会における贈答品の全体像についてまとめたい。そのうえで、贈答品なかに含まれる布および布製品の特徴と分量・割合などを検討する。

琉球大学大学院人文社会科学研究科比較地域文化専攻(博士後期課程)修了。現在は琉球大学人文社会学部に所属。

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「琉球列島における芭蕉布文化の起源を探る(Part 1)」 カトリーヌ・ヘンドリックス

芭蕉布は日本の伝統的な自然布の一つとして重要無形文化財に指定されているが、その歴史、特に地理的・時代的な起源についてはわからないことが多い。上布のような優れた織物の原料である苧麻は琉球列島で古くから織られているのに、なぜ芭蕉布を織る必要性があったのであろうか。琉球の人々がいつ、どのようにして芭蕉布を織り始めたのかを明らかにすることが本研究の目的である。

2001~2006年、琉球大学外国人客員研究員。2006年、PhD in Japanese Studies(ベルギーのKU Leuven, Faculty of Arts, Japanese Studies)。2007年、The Origins of Banana-fibre Cloth in the Ryukyus, Japan出版(Leuven University Press)。

2021.7.4
祝嶺恭子先生(本研究会 特別顧問・前会長) 第65回沖縄タイムス賞正賞 受賞

祝嶺恭子先生は「首里織の発展・継承に尽くした功績」として、第65回(2021年度)沖縄タイムス賞 正賞を受賞され、7月1日正賞進呈式がタイムスホールにて行われました。

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